施設警備で困った瞬間、忘れ物を捨てられてしまった話
忘れ物を見つけたお客様に「後で取りに来ます」と伝えたところ、清掃の人に片付けられてしまいました。一番の問題は、それを上に報告しなかったことです。
施設警備をしていると、利用者から普通に話しかけられる。多いのは道案内と、忘れ物・落とし物の問い合わせだ。拾得物は、業者の出入りや鍵の貸し出しなどと一緒に引き継ぎで受け渡す情報の一つでもある。たいていはその場で答えられるが、自分で判断がつかないときは、無理をせずセンターに確認するようにしている。対応が難しかったときも、自分で抱え込まずにセンターに聞くのが基本だと思っている。
その日も、そんな忘れ物の問い合わせが一件あっただけだった。少なくとも、最初はそのつもりだった。
「見える場所にありますよ」と伝えたところまではいつも通りだった
忘れ物が見える場所にあるのが分かっていたので、「見える場所にありますよ」とお客様に伝えた。ここまではいつも通りの対応だった。
ただ、その時間帯はすぐには取りに行けない状況だった。他の対応が立て込んでいて、その場を離れられなかった。だから「後で取りに来てください」と伝えて、その場を離れた。ここまでは、いつも通りの判断のつもりだった。
後で、というのが良くなかったんだと思う。このときはまだ、その判断を自分の中だけで完結させていた。
戻ってみると忘れ物はもうなかった
しばらくして戻ってみると、その忘れ物はもうなかった。清掃の人が、片付けてしまっていた。見える場所にあると伝えたものが、もうそこにないのを見たときは、正直焦った。後で取りに来るという約束になっていたので、その約束を守れない形になっていた。
物がなくなった。その事実だけを見れば、ただの不運だ。でも本当に痛かったのは、そこではなかった。物がなくなったことより、それを誰にも共有していなかったことのほうが重かった。
一番の問題は報告しなかったことだった
正直、物がなくなったこと自体は、大きな問題ではなかったと思っている。本当に問題だったのは、その時点で誰にも共有していなかったことだ。「後で対応します」で自分の中では完結していて、報告するという発想が、あの時点ではすっぽり抜け落ちていた。これの問題は、自分が上に報告しなかったため、問題になったということだ。
すぐに対応できない案件ほど、自分の頭の中だけで抱えずに、その場で一言共有しておくべきだったと、今なら分かる。あのとき一言、センターに伝えておくだけで済んだ話だった。行けるかどうかが分からないときも、まずはセンターに聞くか、行けないなら報告する。そのどちらかをしていれば、結果は違っていたと思う。抱え込まずに共有することを優先するようになったのは、この経験からだ。
今は行けるかどうかで動き方を分けている
この経験から、今は同じことを防ぐために動き方を分けている。行ける場所ならすぐに取りに行く。行けるか分からないのならセンターに聞く。行けないのならセンターに報告する。
報告する・しないの基準も、あのときから変わった。通常通りなら報告しない。少しでも異常があれば報告する。通常とは違うことには一言添える、というのが今の線引きだ。通常通りのことは黙っていても回るが、少しでもいつもと違うと感じたら、その場で共有する。あのときの「後で対応します」は、まさにいつもと違う側だったのに、自分の中だけで完結させてしまった。今はそこを取り違えないようにしている。
新人時代の他の失敗談はこちらの記事にまとめている。こういう小さな抱え込みの積み重ねが、辞めたいと感じる瞬間につながることもある。辞めたいと思うときのことはこちらの記事に書いている。